震災前、「福島を全国に誇れる地にしよう」と、地元の子どもたちと一緒に立てた企画。
それが、浜街道を桜並木でつなぐプロジェクトでした。
しかし、実現を目前にして、あの震災に見舞われたのです。
「もう夢は叶わない」
と打ちひしがれていた代表の西本さんを激励したのは、子どもたちからのメールでした。
西本さんは「みんなとの約束を果たそう」と奮起。福島県内各地の青年会議所と協力しあい、
国道6号線のいわきー相馬間、全長163kmの植樹活動がスタートしました。
「福島県浜街道に子どもたちが戻ろうと思ったとき、
自慢できる風景にしておきたい」。
そんな切なる想いが、今、大人たちを動かしています。
福島の植樹の特徴は、市町村ごとに桜の種類が異なること。
何度も足を運んでもらえるよう、ひと春に花の盛りがいくつも訪れるよう計画されています。
また、国道のポイントごとに、各地から寄贈された名木を。
日本三大桜のひとつである「三春滝桜」、会津若松の「八重の桜」や蚕養国神社御神木の「峰張桜」、
広島で被爆してのち元気に芽吹いた桜など、ゆかりある桜の子孫たちが、
将来は見どころを添えるでしょう。
複雑な課題を抱える福島。
プロジェクトの目的のひとつには
「復興が進む今の姿を見てもらいたい」
「福島を正しく知ってほしい」
「私たちは元気だと伝えてほしい」
という願いも込められているのです。
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「ギネスに載るくらいの桜並木にしたいの」と笑顔で語る、代表の西本さん。
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「何もない土地では復興も進まないでしょうから」と、未来を想って桜を植える。
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未来を想う植樹活動に、自然とやる気がわき、笑顔がこぼれる。
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桜1本1本に寄付してくださった方のプレートが掛けられる。